
僕は、理系の大学院を修了し、今は特許事務所で法律と、最先端の化学の知識とを生かした仕事をしています。
大学時代は、大手予備校で働きつつ、家庭教師をしていました。
数学のできない生徒は、数学は思考力が大切だし、ひらめきが必要だから、頭の良い人じゃないと高得点を取れないと思っている人が意外と多いものです。
しかし、数学は社会と同じように暗記科目なので、暗記が得意か否かの差はあるものの、頭が良くないと高得点を取れないというわけではありません。
この先入観のせいで損をしている人、特に損をしている文系の人は多いんです。
この記事は、数学に苦手意識のある人や数学の勉強法がわからない人、また頭の良い人しか高得点を取れないと思い込んでる人などに向けて、高校数学はゲームと同じであることを説明した上で、その勉強法を解説したものです。
また、高校数学というテーマですが、中学生の方に読んで頂いても役に立つものだと思います。
目次
高校数学はロールプレインゲールと同じ
ロールプレインゲームについて
高校生の中には、ロールプレインゲームが好きな方はけっこういるんじゃないでしょうか??
高校数学はロールプレインゲームと同じです。
ロールプレインゲームでは、レベルを上げるために、様々なアイテムをゲットする必要がありますよね??
アイテムをゲットするために、多くの時間を費やします。そして、良好なアイテムを多く持てばもつほど、強い敵に勝つことができ、最終的にはラスボスと戦い、ゲームがすべてクリアとなります。
なお、ゲームの種類によってはアイテムが重要ではないものがあるかもしれませんが、そこは大目に見てくださいね。
ロールプレインゲームと同じ高校数学
高校数学もロールプレインゲームと同じです。
参考書にのっている問題の解答パターンを多く覚えれば、アイテム数が増えるわけです。
例えば、センター数学という敵がやってきたとします。そしたら、通常レベルのアイテムをいくつか出せば勝てるわけですよ。
でも、難関大学の数学という敵がやってきました。そしたら、あなたはハイレベルのアイテムを何個か出すか、普通レベルのアイテムを組み合わせて出さなければ、勝てないわけです。
また、旧帝大の医学部の数学という敵がやってきました。そしたら、あなたはとっさに強力なアイテムをいくつか組み合わせて出す判断力がないと、勝てないわけです。
数学の難しい点とは
数学の難しい点を挙げるとしたら、何だと思いますか??
自分のアイテムをすべて長期記憶しておくこと、これに加えて、
敵がきたときに、自分がもってるどのアイテムを使って、敵をやっつけるか、適切な判断をしなければならないところです。
難関大学になるほど、アイテム数が多く必要ですし、かつどのアイテムをどう組み合わせて敵を倒すかの判断が難しくなります。
しかし、言ってみればそれだけなんです。
数学が暗記科目である理由
高校数学のレベル
勘の鋭い方は、数学が暗記科目である理由がわかったと思いますが、
具体的な話に入る前に、高校数学についてお話します。
いきなりですが、東大を受験する人も、旧帝大の医学部を受験する人も、所詮高校生です。あなたたちも、大学に行けば気付きますが(大学の専攻が理系の方しか気づかないかもしれませんが笑)、高校数学なんて、大学と比べればむちゃくちゃ簡単です。
僕は、最先端の化学技術に日々触れていますが、例えば高校化学なんて基礎レベルにも至りません。それくらい高校と大学、さらには大学と大学院とはレベルが違います。
例えば有機化学を専攻したならば、大学に入学して4年もすれば研究室に入り、世界で誰も作ったことがない物質の開発に取り組まなければなりません。僕は運良く、大学4年生で世界発の物質を開発し、イギリスの有名雑誌に掲載され、学会でも話題になりました。
数学を専攻する人も、誰も知らない数式等の新たな研究に取り組まないといけないでしょう。
これに対して、高校数学の問題はどうですか??
大学の研究とは違って、誰かがすでに生み出した公式などを使った問題しか出てこないんです。偏差値が70を超えていようと、高校生のレベルで試験内にまだ世の中で誰も見出していない数式を0から生み出すのは不可能です。僕も数学の偏差値は70を超えていましたが、高校生のレベルでは絶対無理です。
大学受験の数学の問題
じゃあ、大学受験にはどんな問題が出るのか??
受験数学は、上記の通り、時間内に0から1を生み出すなんて不可能ですから、既存の問題集に載っている問題の類似問題、又は、そのパターンを組み合わせた問題等が出題されます。
仮に、誰も知らないような問題が出れば、みんな解けないから解く必要は全くありません。
従って、大学受験の問題を解くためには、参考書に載っている多くの問題の解答パターンを暗記して、多くのツールを頭に残しておくことです。多くの問題の解き方を暗記しておけば、受験で出願された問題が、自分が暗記した問題の中の1つの類似問題だと気付けます。
すなわち、ロールプレインゲールで言えば、アイテムを多く集めて使い方をマスターしておけば、その敵が自分のもっている特定のアイテムで倒せることがすぐにわかるということです。
そして、集めたアイテムを増やすとともに、そのアイテムを組み合わせてどう使うかを敵を倒す練習をする中でマスターしておけば、見た目が強そうな敵でも、冷静にどのアイテムを組み合わせて戦うかが判断できるわけです。
すなわち、仮に見た目が難問だったとしても、多くの問題の解答パターンを暗記して、類似問題やその解答パターンの組み合わせ等をマスターしておけば、その難問の解き方に気付ける確率が高まるわけです。
暗記科目である高校数学
ここまで、お話したらわかってもらえたと信じています。
ロールプレインゲームは、時間をかければアイテムが集められるのと同じように、高校数学も時間をかければ問題の解答パターンを多く暗記できるわけです。
考えてみてください!!
仮に、あなたよりも、思考力がある人が、問題の解答パターンを10しか暗記しておらず、あなたが300暗記していたら、短い試験時間の中でどちらが点数を取れると思いますか??
高校数学には0から1を生み出す問題は出ないんですよ。
あなたの方が点数が顕著に高い可能性が非常に高いでしょ。
高校数学の勉強法
問題を読んだら、すぐに解答を見よ!!この勉強法が重要!
僕は最初に、数学は頭の良い人ができる科目だと勘違いしている人が意外と多いと言いました。その先入観だけで、損をしている人がけっこう多いんですね!!
そんな人もここまで読んで頂き、ほんの少しでも数学に対する見方が変わって頂ければ幸いです。
これまで、何でそんな話をしたかというと、数学が暗記科目だということをわかって頂いた上で、
「問題を読んだら解答をすぐに見ろ」という勉強法に納得して頂くためです。
あくまで注意してほしいのは、一回目の話です。
二回目に同じ問題を復習するときに、いきなり解答を見ろという勉強法を提案しているわけではありません。
要領の悪い人は、数学はひらめきが大切だからといって、全く解答がわからないにもかかわらず、かなり時間をかけて問題を解こうとします。
高校時代、友達が「2時間考えたのに解けんだわ!」と言ってきたことがあります。これは時間の無駄です。
問題を読んだら、すぐに解答を暗記してください。
解答を暗記するときに大切なのは、解き方の流れを覚えることです。
①最初に~をして、
②次に、この数式を使って~~して、
③代入して~~、
④次に、~~、
④最後に~をする。という風に流れを暗記することです。
まずは例題を暗記せよ!!
項目ごとに例題がある問題集が多いので、項目ごとにまず例題の解き方を全て暗記してください。
その後、例題を自力で解いてみてください。
僕は要領よく復習したいので、生徒にはランク付けをしろ!と指導していました。
例えば、1回目に暗記した後、2回目やったときに、解けた問題は〇、指針が必要だった問題は△、全く流れを思い出せなかった問題は✖などする方法です。
ランク付けをしておくと、3回目の復習がランクの低いものを優先でき、効率が上がります。
また、参考書若しくは問題集には、練習問題が付いていると思いますが、暗記が苦手で時間がある方はやってもらってもいいですが、流れが同じならやらなくてもいいです。
このようにして、ロールプレインゲームでいうアイテムを集めていってください。
項目ごとの総合問題で敵の倒し方を覚えよ!
項目ごとに構成された参考書若しくは問題集では、項目ごとの総合問題が載っているものがほとんどです。
必ず、総合問題は解いてください。ここで、集めたアイテムの使い方や組み合わせ方をマスターすることができます。
また、様々な敵が出てきたときに、どのアイテムを使うかの判断を養うことができます。
総合問題は、解答を見ずに、例題を思い出しながら解いてみてください。時には別の項目の知識を使うこともあります。これが判断力を向上する練習になるんですね!!
考えてもわからない場合は、ヒントがある問題集なら、まずヒントを見て考え、それでもわからなければ、解答を見て、アイテムをどう使うのかを覚えてください。
総合問題は、1回目にランク付けをし、2回目は✖のものを優先的に解いていってください。
特に、文系数学は、数学の覚える量が少ないので、暗記科目だからと割り切って、問題の解答の流れを暗記し、使い方を練習すれば、偏差値が比較的短期間で伸びることがあります。
ぜひ、数学の勉強をこれから始める方や、成績が伸び悩んでる方はこの考え方及び勉強法を試してみてください。
また、受験勉強は定期テストの勉強と違い長期記憶が重要です。長期記憶の方法については以下の記事を参照ください。
まとめ
この記事は、数学に苦手意識のある人や数学の勉強方法がわからない人、また頭の良い人しか高得点を取れないと思い込んでる人などに向けて書いたものです。
一番のポイントは、数学は社会と同じように暗記科目だから、解答をすぐに見て、流れを暗記することです。これが効率が良い勉強法だと思います。
ロールプレインゲームと同じようにアイテムが増えれば増えるほど、自分の引き出しが増え、応用問題にも対応できるようになります。例題を短時間で暗記し、集めたアイテムを敵に応じて使いこなす練習が総合問題(よくある章末問題)です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。