
今回は、「【観察分析判断】全ての業種に通じる仕事術・・・仕事ができる人になるためのノウハウ(2)」の続編(3)です。
【観察分析判断】の「観察」についておさらい
(2)をおさらいすると、
どの業種であれ、仕事のできる人は、
①問題解決能力
②創造力
に優れており、
問題解決する際には、
観察→分析→判断(改善案)の順に自然と考えていることを解説しました。
仕事ができない人、すなわち、問題解決能力が低い人は、観察、分析、判断(改善案)のどれかを間違えて認識してしまい、
適切な改善案を導き出すことができません。
(2)では、観察について説明し、
観察とは、問題点を発見することであり、
問題点を挙げるときに、いかに細かく観察して真の問題点を導き出せるかどうかが、適切な改善案を導き出すための鍵となることを解説しました。
分析について徹底解説
今回は、分析について解説します。
分析とは、観察で発見した問題点がなぜ生じているのか、その原因(理由)を導き出すことです。
ここで、分析する際には、2つにわけて考えることが重要となります。
それは、推定と確定です。
以下に、「全ての業種に通じる仕事術・・・仕事ができる人になるためのノウハウ(2)」で説明した事例を基に、分析について解説します。
その事例は、開業したけれど商品が売れず、業績が最悪という例です。
ここで、例えば、観察欄で、以下の問題点
・商品のカタログが理解されにくい
・商品のPRが下手
・商品自体の価格が高い
・商品の品質が悪い
を挙げたとしましょう。
その中で、「商品自体の価格が高い」に注目したならば、まだ、観察が浅いので、もう少し掘り下げて考えます。
その結果、複数の商品の中でも、他社と比べて、特定の商品Aの価格が〇〇円高いことがわかったとします。
そしたら、観察欄(問題点)に「商品Aの価格が〇〇円高い」と記入します。
さて、ここからが、分析欄に何を記入するかの話です。
分析は、上述したように、推定と確定の2つに分けて考えます。
まず、推定について、
観察欄に記入した問題点が、なぜ生じるかの原因を推定します。
推定なので、自分の予測した原因を複数導き出します。
観察欄に「商品Aの価格が〇〇円高い」と記入したのであれば、なぜ、「商品Aの価格が〇〇円高い」かの原因を推定します。
例えば、メーカーであれば、
・商品Aの原材料コストが高くないか
・商品Aの製造コストが高くないか
・商品Aの開発コストが高くないか
発想を変えて、
そもそも、原材料、製造及び開発コストというよりも、
・商品Aに、消費者が使わない複数の機能がついており、その機能を付加するためにコストが生じていないか、
このように、予測される原因を分析します。
次に、確定について、
推定した分析結果を実際に調査して、
観察で導き出した問題点が、なぜ生じているのかの原因を確定します。
例えば、「商品Aの原材料コストが高くないか」という推定に対して、
商品Aを形成する複数の原材料において、一般的な仕入れ価格等を調査し、高すぎないかを分析します(分析(I)とします)。
例えば、「消費者が使わない複数の機能がついてないか」という推定に対して、
消費者が普段商品Aを使用するときに、全く又はほとんど使わない機能が商品Aに付加されていないかを調査して分析します(分析(II)とします)。
その結果、分析(I)については、
原材料全てが、同業者の一般的な仕入れ価格であったならば、
推定した原因は、問題点を生じている真の原因ではないことがわかります。
逆に、分析(II)について調査した結果、
消費者が使わない機能が商品Aに複数付加されており、その機能を付加するために、無駄なコストが生じているならば、
これが、商品Aの価格が高いという問題点を生じている1つの原因であることが判明します。
事例をまとめると、
観察(問題点を発見すること)
「商品Aの価格が〇〇円高い」
↓
分析
(推定、原因を予測すること)
・商品Aの原材料コストが高くないか
・商品Aの製造コストが高くないか
・シリーズものであれば、商品Aの開発コストが高くないか
・商品Aに、消費者が使わない複数の機能がついており、その機能を付加するためにコストが生じていないか
(確定、調査して原因を確定すること)
・消費者が使わない機能が商品Aに複数付加されており、
その機能を付加するために無駄なコストが生じている。
このように、
仕事のできる人、すなわち、問題解決能力に優れている人は、
観察で、詳細な問題点を導き出し、
分析で、その問題が生じる原因を推定し、
推定結果を基に、実際に調査して、原因を適格に突き止めることができるのです。
そして、分析結果で得た原因を基に、
判断(改善案)を導き出しているのです。
判断については、続編で解説します。
みなさん、観察、分析(推定、確定)、判断を表にして書いてみてください。
普段のしょーーーーもないことでも、
改善案を導き出してみてください。
最初は、しょーーーもないことでも、適格な改善案を導き出すことは
けっこう難しいです。
しかし、訓練することで、
表を書かなくても、適格な改善案を瞬時に導き出すことができるようになります。
それができるようになれば、
どんな業者であろうと、
仕事ができる人に自然となれます。